角膜を削らない視力矯正手術として、じわじわと話題になっているICL手術(フェイキックIOL)。
昨年、HKT48の指原莉乃さんが施術したとツイートして話題になりました。
「朝起きた瞬間から目が見えて、朝甘えてくる飼い猫の姿を見たときに泣きそうになりました」
そして、私もついに手術を受けました!
結果から言うと、手術費用は54万円。視力は両目1.5程度まで回復しています。(2019年8月16日追記)
興味がある方のために、その体験をつづりたいと思います。
目次
ICL手術(フェイキックIOL)とは

Implantable Contact Lens( 眼内コンタクトレンズ視力矯正 )の略で、「フェイキックIOL(有水晶体眼内コンタクトレンズ)」とも呼ばれています。
レーシックは角膜を削ることにより矯正しますが、ICL手術は角膜を削らない矯正方法です。
画像の通り、目の虹彩(こうさい)と水晶体の間にレンズを入れて屈折を調整します。
私が気に入ったメリットは「レンズを取り外すことができること」。
レーシックは後戻りできないから怖くてできませんでした。
個人差はありますが、指原さんはドライアイや充血が全くなくなったそうです。
メリットは「見え方」と「可逆性」

- シャープで鮮やかな見え方が期待できる
- ドライアイの原因になりにくい
- 万が一の場合はレンズを取り出し、元の状態に戻すことができる
- 強度の近視、角膜が薄い人も施術が可能
病院で説明されたメリットはこんな感じです。
他の視力矯正との一番の違いは「見え方」と「可逆性(元に戻せること)」だと言われています。
見え方って言われても想像できない・・・と思いますが、本当にきれいに見えます。
世界の色が増えたような感覚すらありました。
しかも目を削らないのでドライアイにもなりにくい。
もし自分の体に合わなかった場合などに、元のコンタクトレンズ生活に戻ることができるのも魅力的でした。
お金はかかりますが、身体的なリスクは最小限に抑えられます。
一方でレーシックは一度手術をしてしまったら、元に戻せないのがなんとなく怖く感じました。
私は眼科の事前検査で、角膜が通常よりも少し薄くレーシックにあまり向かないと言われました。
レーシックで角膜を削った場合、ドライアイなどの症状が起きていた可能性があります。
デメリットは高価なこと
デメリットとして挙げられるのは以下のような点。
- 施術費用がまだまだ高い(レーシックの数倍)
- 合併症や感染症のリスクがゼロではない
- 術前、術後のケアが面倒
調べれば調べるほどICLのデメリットは金額だけなんだと実感します。
レーシックは10万円以下の安価な手術ができる医院がありますが、ICL手術は、どこも50万円以上とかなり高価な印象です。
私が行った東京都八王子市のインフィニティメディカル近藤眼科では、ICL手術は両目で54万円(税込み)でした。
見積もりに行った別の医院(都内)では、
- レーシックが両目で34万9千円(税込み)
- ICL手術が両目で59万8千円(税込み)
結構大きな差があります。
残るデメリットは③目を清潔に保つために術前、術後に、抗菌の目薬を4回ずつ差し続ける必要があること。
手術直後はシャワーを浴びることができません。
コンタクトレンズ自体も面倒なので、手間はあまり変わらないと思います。
手術までの経緯

私は中学時代から視力が落ち、手術前の視力は両目とも0.05、コンタクトレンズの度数は右が-3.75、左が-4.25でした。
コンタクトレンズ歴は15年ほどですが、面倒に耐えられなくなり、手術を決心しました。
- コンタクトレンズをつけたまま徹夜ができない
- レンズを買い足すまでの過程が面倒
- 旅行にコンタクトレンズを持って行くのがだるい
- 災害のときに目が見えないと不安
- 眼鏡かコンタクトレンズがないと普通の生活すらままならない
- レンズが眼球を傷つけるときがある
- ゴーグルを装着しないとプールでレンズが落ちる
経験者ならこの面倒くささがわかると思います。
新聞記者をしているときも、事件現場に直行するときにコンタクトレンズを付ける時間がなかったり、長期の出張に持って行くコンタクトレンズが邪魔だったりと不満ばかりでした。
災害現場や避難所で、眼鏡が壊れてしまって困っている人にも会ったことがあります。
レーシックを受けなかったのは、取り返しがつかないからです。
ICLなら取り外せると友人から教えてもらったので、眼科に直行しました。
手術前の検査から手術直後まで

ここからは私の体験記です。
近年、ICL手術は人気です。人気の病院なら何カ月も先まで予約で埋まっているかもしれません。
私も何件も病院を探しました。
結局、手術をしようと決心してから手術を終えるまで約3か月かかりました。
事前検査~手術前日まで
まず病院に行き、約2時間かけて視力や眼圧、角膜内皮細胞数、角膜厚、角膜径などを測定。
その後、医師による診断をや説明を受け、手術日を予約しました。
手術3日前になると、コンタクトレンズをやめ、1日4回の目薬をさします。
コンタクトレンズをつける生活もこれが最後か、と感慨深いものがありました。
手術後3日間は洗髪や洗顔ができないので、手術前日は普段よりしっかりと入浴しました。
当日は早めに昼食を食べて準備
いよいよ当日です。
早めに昼食を済ませ、予約した時間に病院に行きます。
検査を受けて異常がないと、手術室に通されます。
手術服や帽子、マスクをつけ、待合室で色々な種類の目薬を十回くらいさしながら、順番を待ちました。
手術はとにかくまぶしい

名前が呼ばれて椅子に座ると、目の部分だけ穴が開いたシートで顔を覆い、手術がスタートします。
クラシック音楽のかかったヘッドホンをつけてもらいました。
ライトを見つめ続けるので痛いというより、まぶしいです。
視界は見えるのですが、水で目を洗いながら手術をするので、何が起こっているかはよくわかりませんでした。
レンズを入れるときだけ先生から「上をゆーっくり見てください」といわれたのでその通りにしましたが、ほとんど正面を見ていました。
レンズは目の横から入れるので、どういう状況からはよくわかりませんでした。
多少の圧迫感はありましたが、それほど痛いというわけではありません。
手術中は視力が上がった実感はありませんでした。
ちなみに、まぶたを閉じないようにする器具で固定されるので、瞬きは我慢しなくて大丈夫です。
手術時間は両目で約30分でした。怖がりな性格なので結構長く感じました。
疲れた。。。
手術が終わると1時間休憩/疲れがどっとくる
手術が終わると、看護師さんに連れられ、ソファで1時間ほど座って休みます。
こんな経験はないので、めちゃくちゃ緊張していたことがわかります。
疲れがどっと押し寄せてきます。血が苦手なので、少し貧血気味になりました。
歩けるくらいに回復すると先生の診察を受けて帰宅します。
帰宅できたのは病院に着いてから約3時間半後でした。。。
帰り道に感じたのは「まぶしさ」

帰り道は街のネオンや車のライトがとてもまぶしく感じ、目を開けるのがきついです。
上の写真のような感じ、光の輪っかが見えることもありました。
手元はぼやけたりかすんだりします(術後数日すると、おさまりました)。
駅や電車などの人ごみを歩くときは、自分の目に何かが当たらないかとても不安でした。
当日はシャワー、飲酒、運動などは禁止です。テレビや読書も控えなければいけませんでしたが、精神的に疲れたのですぐに寝ました。
就寝時は目をこすったり、布団などが目にあたらないように保護用メガネをかけます。
翌日検査/視力は両目が1.0以上に回復
こうしてICL手術は無事に終わりました。
気になる結果は・・・
翌日の視力は右→1.2、左1.0に
手術の効果を一番実感するのは、翌朝。
「見える!」と、一人で興奮しました。笑
これまでより認識できる色もはっきり見えるように感じました。
病院の検査では、右が1.2、左が1.0でした。
これからレンズが定着していくのでもっと回復するそうです。
手元が見えづらいときもありましたが、現在(術後5日目)では全く気にならなくなりました。
術後1週間はケアが面倒
術後3日間は洗髪、洗顔ができません。
1日4回の目薬も続ける必要があります。
花粉の季節でもあり、何かが目に当たるのも嫌なので、ダテメガネをかけるなど、何かと気を遣りました。
就寝時の保護用メガネは特に邪魔になりませんでした。
まとめ
以上がICL手術体験記です。主観なので手術の判断は自己責任でお願いします。
私は最初はレーシックしか知りませんでしたが、勉強していくうちにICL手術に決めました。
現在術後5日目ですが、見え方は日に日によくなり、個人的には満足しています。
費用が高い、ケアが面倒などのデメリットがありますが、視力が良くなるメリットには変えられないと思います。
また何かあれば追記していこうと思います。この記事が手術を迷っている人の役に立てばうれしいです。
★1週間以降の経過は「再手術?ICL手術から1週間【両目視力は1.5】」を読んでください。
おまけ
ICLやレーシックは保険対象外ですが、医療費控除は受けることができます。確定申告の際には忘れないように申告しましょう。
【レーシックやICL後】免許証「眼鏡等」の解除方法も書いていますのでよければご覧ください。