インタビュー取材の準備・進め方

取材グッズ マスコミ
  • ライターとしてインタビューに挑戦してみたい
  • インタビューが苦手、上達させたい

そういう方に新聞記者経験で知ったインタビューのコツをお伝えします。

インタビューは簡単なようで奥が深いです。私は新聞記者として政治家、企業の社長、NPO代表、起業家、フリーランサー、警察、検察、弁護士、社会活動家、学者、医師、学生、ホームレスなどに何百回もインタビューをしています。社内の賞もいくつももらいましたが、それでも改善したい部分はたくさんあります。

ですがその一方で、知っているだけでインタビューが楽になることもたくさんあります。

今回はお伝えするのはそういったコツです。明日から実践できるので試してみてください。

インタビューの前に/事前準備が8割

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「準備が8割」

新聞社で先輩によく言われました。インタビュー記事がうまく書けるかどうかは準備次第だと。

それだけ準備を大切にしているんですね。

取材相手と話せる時間は決まっていますし、何度も会えません。質物を聞き忘れると大ダメージです。プロの記者は短いインタビュー時間を最大限に利用できるように、時間をかけて下調べして戦略を練ってから取材に臨んでいます。

プロの記者がそうなら、これからインタビューを始める人も真似しましょう。

具体的には以下のような準備です。

アポイントは早めに

相手に会えないと取材になりません。

インタビューを受けるような方ですから予定は詰まっているでしょう。相手の予定が最優先になるので、約束を取り付けるのも大変です。こちらが色々準備しているうちに、相手が出張に行ってしまったりすることもあります。

コツは早めに連絡を入れるしかありません。

インタビューをすると決まったらすぐにアポイントを取りましょう。

日時、場所はもちろん、簡単にテーマを話しておいてもいいでしょう。それくらいなら下調べなしでも言えるはずです。

どういう記事を書こうとしているか伝えておくと向こうも安心できます。

場所は相手が希望する場所がいいです。家とか会社の会議室とか、話しに集中できるところがベストです。カフェやファミレスでもいいですが、込み合う時間はインタビューが禁止の店もあるので気を付けてください。

下調べは本気でやる

話を聞くなら、相手のことをちゃんと知りましょう。

  • インタビュー相手の経歴
  • 所属する組織
  • 会社情報や商品について
  • 既にインタビューされた記事があるならそれを読む

この辺りはやらないと自分が後で苦労します。この辺りはネットで検索するとある程度の知識がつくと思います。

メディアに露出している人には、「〇〇のインタビューを呼んだんですけど」と前置きして話すと会話もスムーズに進みます。仕事への本気度や敬意が伝わるので悪い感情は持たれないと思います。

逆に、基本的なことを何も知らないと相手のテンションだってダダ下がりです。基本的な説明だけでインタビュー時間を使ってしまうようでは論外です。それでは記事を書けないですし、相手も嫌な気分になります。

質問内容を考えておく

話を聞きながら質問を考える、臨機応変に・・・

そんなにうまくいきません。

絶対に質問しないといけないことはノートなどにまとめておきましょう。

  • 疑問に感じたこと
  • 興味を持って深掘りしたいと思った部分
  • 商品情報や会社概要などの確認(HPのものから変更されている場合もある)
  • 相手についての確認(肩書き、名前の読み方、年齢など)
  • 連絡先(聞き洩らしがあったときに確認する用)

事前に書いておけば当日に焦ることはありません。質問を記憶しておく必要もないので、余計なことを考える労力も減ります。

こういう準備が小さなミスを防いでくれます。

話を聞きながら考え事をすると返事がおろそかになります。相手に「この人、話を聞いているのかな」と疑われたら最後。

インタビューを受けてくれている分こちらも誠意をもって話を聞きましょう。

流れは簡単にイメージすること/余談を持ちすぎない

相手のことがわかり、質問も考えたら、インタビューの流れも確認しておきます。あくまで簡単に・・・です。先に考えた質問内容の優先順位を考えるくらいがちょうどいいです。

注意したいのは、ストーリーを決めつけないこと!

たくさん調べたら相手のこともわかってくるので、「こういう記事になるんだろうな」と思いがち。でも待ってください。

まだ相手には会ったこともありません。

話を聞く前から流れを決めるならインタビューの意味がありません。準備をするのは大事ですが、決めつけは完全にアウト

向こうが思ってもない原稿が出来上がり、クレームの恐れもあります。

持ち物

インタビューに特別なものは必要ありません。

  • ボールペン
  • ノート
  • ICレコーダー
  • スマホ
  • カメラ(スマホでもOK)
  • 名刺

これだけあれば十分。

ペンのおすすめは100円くらいの消えない油性ボールペン。無くなってもショックが少ないです。ボールペンに書いた取材ノートだと裁判の証拠として認められるのでトラブルになったときも身の安全を守れます。

特に注意したいのが、ICレコーダーの充電や容量をチェックしておくこと。インタビュー中に使えなくなると多分困ると思います。

普段は便利なスマホも、録音しながら写真や電話、ネット検索などが使えないので注意。インタビュー中に「このHPを見てもらったらわかるんだけど」「このブログの説明が分かりやすくて」などと言われることも多々あるので、スマホはいつでも使える状態にしておいた方がいいです。

インタビューの進め方

インタビュー

冒頭のアイスブレイクが当日のカギ

アイスブレイクとは「氷を壊すこと」。初対面同士が話すときに緊張を解くための手法です。

初対面の人との会話は誰もが緊張します。インタビューを受ける側も緊張していますので、ここでうまく緊張を解くことがカギとなるわけです。臨機応変にしたいところですが、とりあえず、

  • 天気の話題「今日暑いですね」「さっき雪が降っていました」
  • 出身地の話題「北海道には行ったことがあります」「くまモンのファンです」
  • インタビューの場所の話題「この辺りはラーメン屋が多いですね」「立派な会議室ですね」

これらの話はいつでも使えるので一応ストックしておきます。

ポイントは「自分と相手に共通する話題」です。

相手が他の雑誌に掲載されているなら「インタビューの記事を読みました」でもいいです。事前勉強が生きるところです。事前勉強したなら「勉強してきました」と言った方が相手に伝わるので印象がいいです。

出会った瞬間にいきなりインタビューを始めるのは失礼なのでやめましょう。

名刺を持たないフリーランスもいますが、アイスブレイクの意味では名刺は立派な小道具になります。向こうから「変わった名前ですね、何県のご出身ですか」「城が好きなので、旅行に行ったことがあります」などと話してくれることだってありますから。

場合によっては質問事項の共有も

アイスブレイクが終わったらインタビューの開始です。

話がふらふらしても困るので「今日はこういうことを聞こうと思っていますので、よろしくお願いします」と伝えると話を最短で聞けます。

紙にメモをしている場合は「こんな質問を考えている」と相手に見せても構いません。せっかちな相手は喜びます。

事前にメールなどで質問事項を送っておくのも手です。相手がインタビュー慣れしていないときなどに有効です。

相手に断ってからICレコーダーを置く

ICレコーダーで録音する際は相手に一言伝えましょう。知らない間に会話を盗聴されていたら嫌ですよね。

  • 聞き洩らしや間違いを防ぐため
  • 間違ったことを書かないため
  • それ以外の用途に使わない

録音自体を嫌がる人もいますがこう伝えるとスマートです。

言うまでもありませんが隠し撮りはNGです。失礼だし音もうまく拾えません。

コミュニケーションということを忘れずに

記事にまとめるのが不安。

そう思うとインタビュー中も記事を書くことでいっぱいになってしまいます。

ですが相手にしっかり話してもらわないことには記事は書けません。とりあえず目の前のインタビューに集中しましょう。

  • 「そうなんですか」「意外です」など、ちゃんと返事をする
  • 相手の目を見る
  • 足を組まない
  • 背筋を伸ばす
  • 興味がありそうにノートにメモする

相手は熱心に話しているなら、こういう姿勢を見るとうれしいと思います。というか、インタビューに来たのに、下ばかり向いて返事をしなかったムカつきません?笑

沈黙しそうになったらノートを見る

これでインタビューも余裕!と言いたいところですが、、、慣れないインタビューだと沈黙が生まれるときがあります。

でも事前の準備をしていたなら大丈夫。

ノートを見れば、とりあえず切り出す話題が書かれているはずです。

このノートは相手に見られても大丈夫なように書いておくのがミソです。「今日はたくさん聞きたいことがあったので忘れないようにノートに書いてきました」と言えば、向こうも悪い気はしないはず。

ノートの使い方

上記の使い方など、ノートがあると便利です。スマホやICレコーダーなどの便利グッズがありますが、私はノートを使ったインタビューをおすすめします。

  • 会話の途中で思い浮かんだ質問をメモできる
  • 話しを視覚的にまとめることができる
  • ノートに図を書いて相手に確認できる

こうしたことができるからです。

そもそも多くの記者は録音の音声で記事を書きません。

記者は聞きながらノートにまとめてそれを見て原稿を執筆します。録音した音声を聞くのはチェックの時だけです。

人は必ずしも筋道をつけて話をするわけではなく何度も脇道に逸れます。ノートの場所でかき分けるだけで、話題をテーマごとに視覚的に分類できるのです。これは記事を書くときにとても役立ちます。

また、会話内容も途中で忘れないようにメモできますし、複雑な話の時は、時系列に書き直して「この順番で合っていますか?」と確認ができます。

インタビューが終わったら/その日のうちにまとめる

インタビューお疲れさまでした!

・・・と言いたいところですが仕事は終わっていません。

インタビューは絶対「当日のうちに」まとめましょう。これも大事なポイントです。

当日じゃないと、インタビューした感覚が忘れてしまうからです。

インタビュー記事は話を聞いてどう感じたかという直感が大事です。インタビューの全文を文字起こしせず、わざわざ記事にまとめるのは、そうした直感を反映させるためだと思います。

「相手が熱っぽく話した言葉」「刺さったフレーズ」「今日のインタビューの核心」などは当日だからこそ頭に残っています。相手と話したことを思い出しながら一気に書きましょう。記憶も鮮明なので、ICレコーダーを聞き直さなくていいかもしれません。

インタビューから時間が空いてしまうと話の内容や雰囲気まで忘れてしまいます。ICレコーダーを聞き直して、文字に起こして、まとめて、チェックして、、、ってやると時間がかかりすぎます。

お礼も忘れずに

以上になります。

インタビューはうまくいきそうですか??

今回は事前準備や流れの話がメインになりましたので、いずれ質問方法なども書きたいと思います。

インタビューの内容がメディアに載ったら取材先にお礼メールをするのもお忘れなく。