以前、裁判傍聴の方法を「【保存版】裁判傍聴のやり方まとめ」に書きました。
記事中で「傍聴するなら刑事裁判の新件、できれば裁判員裁判で」と触れました。
そこで今回は少し掘り下げて、裁判員裁判の傍聴する方法や見どころを解説します。
裁判員裁判は簡単でわかりやすいのでおすすめですが、予定を合わせるのが難しいです。
それでは始めます。
目次
裁判員裁判とは
刑事裁判(殺人や詐欺、窃盗などの事件)の一種です。
審理する事件は、殺人事件や放火、身代金目的の誘拐事件など、重大な犯罪が対象になります。
簡単に言うと、一般人も裁判官になるという制度ですね。もともと司法に対する国民の理解を深めるために2009年に導入されました。
引用元:WikiPedia
裁判員制度(さいばんいんせいど)とは、特定の刑事裁判において、有権者(市民)から事件ごとに選ばれた裁判員が裁判官とともに審理に参加する日本の司法・裁判制度をいう。
裁判官は、抽選で選ばれた市民6人+職業裁判官3人という構成です。市民からは会社員をはじめ、教師や主婦の方など様々な年齢や立場の人が選ばれます。
大きな違いは裁判の進め方です。
誰でもわかるように丁寧に審理する一方、時間が長くかかる傾向にあります。
裁判員裁判を見るためには
まずは予定を把握します。
普通の裁判とは違い、事前に地方裁判所のHPで裁判日程が公表されています。事前の申し込みは不要です。
例えば、東京地裁ならこちらで確認します。こちらも新件から傍聴した方がわかりやすいです。
傍聴券が必要かどうかの確認もお忘れなく。
なぜ裁判員がいいのか
- わかりやすい
- 詳細な話を聞ける
これに尽きます。
一般人が裁判官になるだけだと思われがちですが、裁判の中身が相当変わります。
メリット①わかりやすさを重視して審理される
裁判官を務める一般人にわかりやすいように審理されるので、聞いている側も間違いなく理解できます。
例えば検察官は、「これから起訴状を朗読します。起訴状とは、検察官が何の罪を立証しようとしているかを書いたものです」などと難しい語句は一から説明してくれます。
このほかに、犯罪を証拠を出す際も、写真や動画を使いながら犯行当時の状況を説明します。普通の裁判なら早口で説明して終わりですから、大きな違いです。
私が実際に傍聴した殺人事件の裁判員裁判では、フィリピンの犯行現場の写真や犯行グループのライン履歴、逃走中の重要参考人の顔写真などがスクリーンに映されました。別の裁判では、事故当時のドライブレコーダーの映像や110番通報の録音なども法廷で公開されました。
気持ち悪い写真が出てこないか不安な方もいるかもしれませんが、大丈夫だと思います。私も血を見るのが苦手ですが、そういう映像は見たことはありません。
メリット②詳細な話が聞ける
わかりやすさを重視しているので、審理に多くの時間を割きます。
例えば、被告人への質問も時間をたくさん使い、犯行当日の動きや、当時の気持ち、なぜやってしまったのか、どういう準備をしたのか、後悔しているかなどを、詳しく聞きます。
本当に犯罪をした人が目の前で当時の様子を話すわけですから、その雰囲気はドラマでは再現できないほどです。
ニュースでは時間や文字数などの都合で、「〇〇容疑者を逮捕」「××被告に懲役■■年」など単純化して報道されがちです。
ですが自分の耳で聞いてみると、重大な事件は案外、自分にも当てはまるような悩みが原因だったりします。
自分だったらどうするか、犯罪を防ぐためにはどうしたらいいのかなど、考えさせられるポイントにたくさん気づくことができるはずです。
ポイント 第1回がおすすめ。できれば連続で見る
裁判の流れは簡略化すると以下のようになります。
- 起訴状朗読(被告人はどういう罪を犯したか検察官が指摘する)
- 罪状認否(被告人が罪を認めるかどうか答える)
- 証拠調べ(証拠や質問をしながら、検察官が犯罪を立証したり、弁護人が反論したりする)
- 求刑
- 判決
ほとんどの場合、第1回目で①起訴状朗読②罪状認否が終わります。ここを見ておくと、事前知識がなくてもどういう事件だったのかを把握することができます。
逆にいうと第1回を見ないと、どういう事件なのか、何を争っているのかがわかりづらくなります。
裁判員裁判は短ければ3日程度で終わります。長いですが、1日だけでも見どころはたくさんあると思います。第1回を見てしまうと判決が気になってしまうんですけどね。笑
時間があればどうぞ。